太陽

 いま、耳にとどいた


微かに聴こえる幼子の歌声

「手~のひらを~太陽に~透かしてみ~れ~ば~」

はずかしそうに歌ってるのが微笑ましい

この声は

今朝 自転車の練習をしていて大きく倒けてしまった

あの おんなのこの声だ

大声で泣いていたおんなのこ

幼稚園に通ってる 二人兄妹のおんなのこ

大きな声で笑ってる

わたしも歌ってみよう

心の中 大きな声で

陽はあと何時間で沈むのだろう

拭えきれない さみしいきもち 

西を目指すこの太陽へ

あしたのことなんて

なにもわからない

けれども

あしたの朝 必ず会おう

自生している 花を想う

感情を

そのままに