一日一詩 2014-06-12

「雨」

雨には
おもいやりのある雨と
自己中心的な雨がいる

やさしい雨は人びとに歓迎され
自己中心的な雨は人びとに敬遠されている

「地球はまるいから逃げるのが大変ね」
とわたしが言うと
「そうだよ、すぐに追いつかれちゃう
   もう逃げ場所がなくなりそうだ」
と敬遠された雨は
下向き加減でぼそりとつぶやいた

すこし立ち話をしてから
「そろそろいかなくちゃ」
と同時に手を振りさよならをした

つぎはどこで会えるだろう

どちらも同じ雨なのに