一日一詩 2014-06-18


目的地はない
でも 
また明日会おうと夕暮れ時の太陽と約束をしたから

まず 
東シナ海を泳いで上海へ
そのあと四川料理を目指して30日ほど歩いた

バックパックはもうパンパン

ネパールに寄って
吉田ヒロの一発ギャグを全身で表現し
自己満足をしてから また北へと戻る
その勢いで一気にタクラマカン砂漠を駆け上がった

カスピ海を抜けトルコあたりでヨーグルトを
イスタンブールで気球に乗って
ギリシャの端まで飛んでった

ローマにローマと声をかけ
バルセロナの宮殿で現地の友達とバタリと会った

桜の花は一輪も咲いてはいなかった

泳ぐは泳ぐ 海は泳ぐ

陸に上がるとそこはジョージア州だった
ピーナッツをカリリと噛み砕き
大きく深呼吸をしてから
また一心不乱に歩だす

アメリカ大陸にはあまり興味がない

ロサンゼルスで恋敵に会釈をし
二度と来るかと心の中で暴言を吐いた

明日の晩御飯は何にしようか
悩みながらまた懸命に泳ぐ

太平洋と大西洋の色はまるでちがうんだよ

東京特許許可局は閑散としていたけれど
襟を正し深々と頭を下げた
この旅を振り返ると涙が溢れてとまらない

一応早口大会に参加してみたけれど見事に惨敗した

肩を落とし空を見上げると
どこかで見た懐かしい笑顔がうかんでいる

おもいだせない
おもいだせない

また明日会おうと夕暮れ時の太陽と約束をしたから

わすれてしまったあの景色をおもいだすため

記憶を辿り
また旅にでる